「ヤコブ コーエン」は1985年、イタリアのスタイリスト達が中心になって立ち上げたブランドです。職人業の光るデニムブランドとして発売と同時に大きな話題となりました。
ブランドコンセプトは「テーラードジャケットに合わせるジーンズ」。
リーバイス501へのオマージュ、そしてイタリアならではの感性を備え、立体裁断とテーラード技術を融合させることでヤコブ コーエンは魅力的なシルエットを構築しました。
ヤコブ コーエンの、ワークテイストの男くさい部分は残しつつ、デニム素材のスラックスという提案は、全く新しいカテゴリィを作ったと言ってもいいでしょう。
よりすっきりと見せるために、センタークリースを入れる、エレガントにコーディネイトするというのもヤコブコーエンの提案でした。
しかし、ヤコブ コーエンはデザインやシルエットだけに注力したのはありません。それを現実にするため、素材を厳選し、細部にまで注意を払っているのです。
ヤコブコーエンならではの魅力。
素材選び
アメリカのコーンミルズ、日本のクラボウ。主にこの2社から素材を調達しています。特にクラボウへの信頼が厚く、履き心地や色持ちを重視した素材作り、さらには新しい素材の共同開発を行うほどです。
細部への気遣い
ハラコやリアルレザーなど高価素材をパッチに使用するのもヤコブ コーエンの特徴です。またフロントボタンのカラーリングもジュエリーメーカーに依頼しています。隠れて見えない部分に気を遣うというのがヤコブ コーエン流の演出です。
オリエンタルな香り
パッケージされたヤコブ コーエンの商品を開けると、官能的でオリエンタルな香りが立ち上がります。「パチョリ」というハーブの香りで、色止めの工程で使用しているものの残り香なのです。
しかし、ヤコブコーエンの魅力は何といっても美しいシルエットです。基本となるシルエットは『622』と『688』。この二つを中心に、そのバリエーションモデルの実力を堪能してください。
おすすめJACOB COHEN 1:J622 Lav.3 ハードウォッシュ
Lav.3とはウオッシュ加工の程度を表したもので、適度な色落ちがあり経年によるアタリを施したものです。
シルエットは代表的な『622』、テーパードスリムフィットのローライズになっていてますが、ヒップを包むような構造になっているので、ズレ落ちるなど不自然さはありません。むしろ腰回りがスッキリと収まり、脚長効果が嬉しいという声が多いそうです。
ストレッチの効いた素材もコットン100を思わせる表情があり、快適さと高級感を兼ね備えています。
ウェスト裏にはマーベルトが張り付けてあるので、シャツをタックインしてもはみ出す心配がありません。キレイに着こなす、ジャケットに合わせることを前提に作られていることが分かります。
おすすめJACOB COHEN 2:J622 ホワイト ツイルコットン/ローライズスリム
シルエットはテーパードスリム+ローライズが特徴の『622』。素材はコットンツイルですが厚手のものを使用しているので暖かみがあり、秋冬でも問題ありません。というより秋冬に履いて欲しい白パンです。
ボタンフライに使った光沢あるボタン、前合わせの刺しゅう、ポケット裏の素材など仕掛けが溢れた一本です。
少し前まではミリタリー系のアウターに白パンというコーデが闊歩していましたが、今では見かけなくなりました。さて、どう使いましょう。
おすすめJACOB COHEN 3:J622 LIMITED Lav.3 ハードウォッシュ
こちらも『622』が基本になっていて、Lav.3ということは程よくウォッシュ加工が効いた、もっとも使いやすい、コーデしやすい1本です。
注目して欲しいのが、リミテッドモデルであること。生地もオンスの重いシッカリとしたものが使われ、ヒップポケットのステッチやパッチの仕様も特別感に溢れています。
さらに特別パッケージに入り、ヤコブコーエンファンを魅了する”あの香り(通称:ヤコブ臭)”も、アトマイザー入り(10ml)で同梱されています。そしてシリアルナンバーが与えられるという特別づくめです。
世界に数点しかないデニムを所有するという満足感。ビンテージやデッドストックデニムとは違いますが、男ごころがくすぐられます。
おすすめJACOB COHEN 4:PW622 ツイル5ポケット ブラック
こちらのシルエットも622で、生地はツイル織りのコットンクロスを使用。デニム地より柔らかいので、使い勝手が良く、色の濃淡にも表情があります。バックパッチは黒ハラコと、リベットやボタン類はシルバーでアクセントになっています。
製品洗いをかけているので、縫い目にはアタリが出ていて立体感のある履き心地を楽しむことが出来ます。
黒は主張が強いので、少し短めにカットするかロールアップして履くことでバランスが保てます。トップスには強い印象のモノを持ってくると互いに中和して馴染むと思います。