デニムパンツつまりジーパンですが、一度も履いたことがない、一本も持っていないという方はほぼいないでしょう。
これほど身近なパンツは他にないでしょう。ですが、ビジネススタイルに取り入れているという方は、まだまだ少数派だと思っています。
働き方が変わってきてます。またワークウェアという位置付けだったジーパンへの認識も変わってきています。
例えばスティーブ・ジョブズがiPhoneの新商品発表のステージにジーパンと黒のカットソーで登場する姿に違和感はありません。『ノームコア』というジャンルまで生まれるほどです。
商習慣の違いから、日本ではすべてのシーンでジーパンが許されるということは難しいでしょう。しかし節度をわきまえて取り入れることであれば、適度なリラックス感が新たなビジネスつながる可能性はあると思っています。
中でもワンウォッシュデニムは、取り入れやすいタイプ。ポイントは長さと靴、そしてベルトにあるようです。
『ワンウォッシュデニム』とは。そして長さ、靴、ベルトについて。
ワンウォッシュということから、一度洗いをかけた商品だという事は想像できます。しかし何を洗ったのかというと、答えられない方も多いのではないでしょうか。
何を洗い流すか。それは『のり』です。ジーパンを作る工程で、織りやすくするために糸に『のり』を付けます。さらに織った布地にも、その後縫い合わせしやすくするために『のり』をつけるのだそうです。
つまり、縫い合わせて完成したジーパンは『のり』が付いた状態なのです。この状態のジーパンは『生デニム』と呼ばれています。『のり』がついたままなので、生地は固く、履き心地は決して快適とはいえないようです。
『のり』を洗い流すことで、生地が落ち着き、履き心地が良くなります。この工程で防縮加工や色落ち防止などが施され、デイリーウェアといして使いやすくなります。
といっても、一度だけの工程なのでデニム本来のインディゴブルーの色合いや 生地の風合いは残っています。履き込んだジーパンではなく、おろしたての上品さが残っているはずです。
イメージは紺色のチノパンといったところでしょうか。ビジネスシーンでの使い途が見えてきました。シルエット・長さについて考えてみましょう。
シルエットは、細すぎないストレートが望ましいでしょう。ビジネスで使うなら、ジャケットとの相性が大切です。ネクタイを合わせることも。となれば、特徴的なものではなく無難で美しいシルエットがいいのではないでしょうか。
長さ、つまりパンツ丈も重要です。長すぎはもちろんNGですが、くるぶしが見えるほどの丈もビジネスでは遠慮したいと思います。
シルエットが生きる丈と言えばノークッション、ですが履いているうちに膝が出て、丈が縮むことを考慮しましょう。靴との関係が大切になってきます。
靴選びが、重要ポイントです。まずスニーカーはなし(ハズシはアリですが、許す環境であればいいのですが)。せっかくデニムで出勤したのですから、日常とは違う靴を選びたいところです。
色は黒が間違いありません。まずはローファー、裏地のないカジュアルなものではなく、少しドレス感のある、リボンタッセルやキルトが付いたモデルがイイでしょう。
ボリュームを持たせたいのなら、ウイングチップやチャッカブーツという選択もアリです。コートを羽織る季節であれば、尚更お勧めです。
難しいのはベルト選びです。シャツをタックインして着ることを前提にするとベルトの存在は目立ちます。編み込みのしっかりしたメッシュベルトならオンオフ対応できます。いっそ『ナシ』という選択もあるのですが、ここはしっかり引きしめます。
最後は、サイズ感について。ヒップにあったサイズ選びが望ましいと思います。ただブランドによって着用感は個人差が違います。シックリくるブランドを選びましょう。
おすすめのワンウォッシュデニム1. リーバイス
デニムと言えばやはり、リーバイス。リーバイスを代表するモデルと言えばやはり501に落ち着きます。
年代別に特徴があり、ヴィンテージに関す様々なうんちくはあるようですが、そこは詳しい方に譲るとして、現状で入手しやすいモデルでも十分に楽しめると思います。
画像は1954年モデルを復刻させたものです。わたり幅に余裕があるのでタイト過ぎずコットンパンツのような感覚でビジネスにも取りいれやすのでは。
気にしたいのは、ストレッチ素材を含まないこと。C100つまりコットン100%の素材感があってこそ、ノンウォッシュデニムをビジネスシーンで楽しむ意味があるというものだと私は思っています。
おすすめのワンウォッシュデニム2. LEE
リーバイスと双璧をなすデニムブランドと言えば『Lee』を外すことはできません。リーバイスのシルエットがシックリこないなら、こちらのブランド試してみましょう。
好みは分かれますが、同じストレートシルエットでもリーバイスより余裕があるように感じます。
画像はやはり1654年モデルの復刻版です。Leeにしては珍しくボタンフライ仕様になっています。
股上は深く、腰からストンと落ちるようなシルエットなので、よりコットンパンツに近い着こなしに向いていると思います。
裾幅も20センチほどありそうです。大人の着こなし、ジャケットを羽織るなら、これくらいの余裕、ヌケ感があってもいいように思えます。
多くが日本で作られるようになってから、より日本人体型にフィットするようになりました。縫製も安定しています。
おすすめのワンウォッシュデニム3. Wrangler
リーバイス、リーに次いでアメリカンブランドの『ラングラー』も外せません。1947年米国のワークウェアメーカーであるブルーベル社が立ち上げたブランドでです。
ウェスタンカウボーイから人気を集め、1975年には定番モデルの1つ13MWZが全米プロ・ロデオ・カウボーイ協会から公式ジーンズとして認定されるほどです。タフさと、カウボーイブーツがしっくりハマると言うのが理由だったとか。
日本上陸は1972年、先の二大ブランドにはない後発ならではの新しさで人気ブランドの仲間入りをし、現在でもも王道ジーンズブランドとして根強い支持を得てます。
創設当時からハリウッドの衣装デザイナーであったロデオ・ベンを登用するなど、早くからジーンズのファッション性に注目してきましたから、ビジネスシーンでも難なく取りいれることが可能です。
画像は、定番の13MWZよりもタイトシルエットの12MWZというモデルです。股上も深すぎないので使いやすそうです。
カウボーイブーツとはいきませんが、リスペクトを込めてサイドゴアブーツで足元を決めるというものアリでしょう。
日本ブランドの下で作られるようになって、Lee同様身近な存在と言えます。ポケットの切れ込みがナチュラルなので、コットンパンツ寄りに感じます。