チーニーと聞いて、チャーチのセカンドラインだというのは古い認識です。確かにそのような期間はあり、価格帯もそれにふさわしいモノでした。
しかしクオリティの高さは評判で、今のチー二ーに対しては失礼な言い方になりますが普段使いには重宝するという位置付け。コストパフォーマンスの高さを誇っていました。
ジョンロブやエドワードグリーンも持っている。でも雨の日に履くのは気が引ける、チーニーなら使いやすいし、しっかりメンテナンスをすれば回復力も優れてる。
チーニーにとって2009年は転機であり、現在の飛躍につながる扉が開いた年でした。彼らはまず原点を見つめ直すことに注力しました。その価値をいち早く見出したのは日本のセレクトショップだったようです。
再評価されて当然のブランド力を持つチーニー、正確にはジョセフ・チーニーについて探ってみました。
チーニーとは?
チーニーの歴史
1886年、英国靴の聖地ノーザンプトンの靴メーカーで働くジョセフ・チーニーが独立し、小さな工場を構えたのが始まりです。
その後、ジョセフの息子が入社すると社名をJ.Cheaney & Sonsに変更します。これは現在でも企業名と企業ロゴにも残っています。
小規模ながら高品質なもの作りを続け、Queen’s Awardを受賞するまでに評価されます。しかし経営的な問題を抱え旧チャーチ社に買収されてしまいます。
ここからチャーチ社のセカンドラインという位置づけが長く定着するのです。
しかし2000年にイタリアファッションの老舗プラダがチャーチを買収、チーニーもプラダの傘下に加わることになります。
しかし2009年にチャーチ家のジョナサンとウィリアムがチーニーのみをプラダから買い戻して独立させるという事態が。
チャーチ家がチャーチブランドではなくチーニーブランドのみを買い戻したことは当時大きな話題になりました。
新生チーニーが取り組んだのは、時流に流されない、これまで自分たちが関わってきたことを見つめ直すことでした。先人たちが残した木型や、懐かしい素材を探ることでした。
その中には、いい意味で洗練されていない作りこみ、タフなソールなどのコレクションがあり、そこに日本のセレクトショップが目をつけました。
様々なしがらみから放たれ、自由になったチーニーに新しい地平が開けたのです。
チーニーの魅力
ユナイテッドアローズは2014年にチーニーに触れた印象を『ダサかっこいい』と表現しています。
それまでは先のとおりチャーチのセカンドラインという認識から興味がなかったそうですが、若いスタッフからの提案で印象が変わったそうです。
その時のサンプルが後述する「CAIRNGORM 」というモデルで、当時流行していたイタリア靴とは違うベクトルに興味がわいたのだそうです。
「CAIRNGORM」の木型は、英国軍にも供給していた現行品番で最も古いものでした。新生チーニーが取り組む原点回帰に早くから共鳴したのは日本人だったようです。
質実剛健、英国靴らしい面構えは着実にファンを獲得していきます。さらに近年トレンドが英国に向いていることも手伝って注目度はさらにアップしています。
不器用で寡黙、愚直という言葉が似合う、古いタイプのブランドなのです。
チーニー おすすめの逸品1. ALFRED
一番人気の定番、ストレートチップ。どのブランドでもラインナップしていて、ブランドの特徴が良くわかるモデルです。
チーニーはこのモデルに限らず『丸さ』が特徴、ストレートチップでもトゥデザインから丸く足を包み込むフォルムです。
ビジネスシーンで活躍してくれます。バンカーズストライプのスーツ、サスペンダーで吊ったクラシックなスタイルに似合います。
チーニー おすすめの逸品. CAIRNGORM
UAのバイヤーの目を引いた”カントリーコレクション”のケンゴンは外羽根キャップトゥモデルです。
無骨なのですが愛らしい。それはステッチワーク、シボ感、厚さ1cm程もあるダブルソール(コマンドソール)に理由があります。
そしてミリタリーラストとも呼ばる、チーニーの現行品番で最も古く、歴史があるラスト。カントリーラインが人気のトリッカーズとも違う、開放感があります。
作りも頑丈で、ヴェルトショーン仕様という非常に手の込んだつくりになっています。軍パンで直球コーデもあり。
チーニー おすすめの逸品3. HUDSON
60年代のアイビーファッションに出てくるお手本のようなフォルム。履き込みが浅めに設定された、少し丸みがある可愛らしいローファーです。
年をとったら、脱ぎ履きの面倒な紐靴よりも、こうしたローファーを履いて過ごしたい。そんな思いを抱かせてくれます。
素足履きもいいですが、ソックスで遊びましょう。黒なら赤系、ブラウンならグリーン系、少し派手までも丸く包んでくれます。
チーニー おすすめの逸品4. OLD
シティコレクションに属すプレーントゥ、2アイレットでシャープな面立ちですが、ショートブーツのようなアクティブなニオイを放っています。
外羽根式で、控えめなデザインなので、スーツやジャケパンスタイルにしっくりとけ込みます。
紐の締め方でフィット感を調整しやすいので、外回りや出張の多いビジネスマン必携の一足です。