コンピュータとインターネットの発展により、働き方が変わってきました。それまではひとりひとりにデスクが与えらていまたが、代わりに支給されたのはノートPCでした。
大きなデスクを共有し、または決まったデスクなどなく思い思いの場所で仕事をするという、フリーアドレススタイルも珍しくありません。
そして決められた日時に出社すれば、あとは自宅などで業務をこなしてもいいというテレワークという仕事スタイルも、増えていると聞きます。
働き方の変化は、働くスタイルに影響を与えます。それまではスーツにネクタイというスタイルが、ジャケパンになり、ネクタイもジャケットもなしという『オフィスカジュアル』が浸透しています。
しかし40代ともなれば管理職、プロジェクトリーダーなど事業で責任ある立場であることが多いと想像できます。
プロジェクト内のミーティングであったり、クライアントへのプレゼンや営業活動、金融機関との折衝など、多くの場合社内外を問わず他者と接する機会があるということになります。
オフィスカジュアルの基本
ノームコアという概念があります。ノーマルでコアなスタイル。究極の定番と訳されることもあるようです。
それはスティーブジョブズのようにイッセイミヤケのハイネット・501・ニューバランスを履くことでも、ザッカーバーグのようにTシャツでインタンビューを受けることではありません。自分ならではの定番を持ち、それを全うすることではないかと思っています。
そして清潔であること。スティーブジョブズは、同じハイネックを数十枚持っていたと伝わっています。
全うすることは主張につながります。40代という責任ある立場を表現することになります。
ここでは40代男性、秋冬のコーディネートの定番として揃えたいアイテムをカテゴリィごとに2種類選定しました。すべて組み合わせれば16通り、シャツなどのインナーを替えることでさらにバリエーションが広がります。
アウター
マウンテンパーカー
マウンテンパーカーは既に馴染みのあるアイテムですが、ロング丈を選ぶことで若い世代との違いを出しましょう。
こちらはシエラデザイン社の60/40クロスを使用した本格的なマウンテンパーカーです。他ブランドではあまり見かけないタイプ、着丈だと思います。
オフィスでの仕事なので後述するジャケット着用を前提にしています。アウトドア仕様なのでゆったりした作りになっているので窮屈さはありません。適度なリラックス感もあります。
画像のように普段使いで問題なし。アウトドアブランドらしい発色のキレイなモノを選ぶと秋冬シーズンでも陽気な気分になります。
ダッフルコート
ピーコートとダッフルコートは学生っぽいと敬遠しがちですが、40代以降のミドルエイジが着ることでさらに魅力が倍増するアイテムだと思っています。
ここではダッフルコート推しで。大人の貫禄は本場モンのグローバーオール、しかもロング丈の紹介です。
そしてダッフルコートで気を付けたいのはサイズ感です。少し肩が落ちるくらいがいいとされています。なので普段はニットの上に、オフィスに出かける時はジャケットを着こんでもイイ感じに落ちつきます。
色は何を選ぶべきか・・・。黒のロング丈、これになら中に何を着てもケンカしません。
ジャケット
ネイビージャケット
メンズファッションの流れは、長く続いたイタリア志向からイギリスに舵を向け始めたとか。
クラシック回帰、一部ではガチのアイビーも見直されているいのだとか。そこでスタンダードな紺ブレ、ネイビージャケットが新鮮に見えてきました。
こちらはオンワード樫山が展開する『JPRESS』のオリジナルモデルです。確かな縫製、適度なウェストシェイプは最近の体型をして嬉しい構造です。さらにメタルボタンというのも懐かしい。
これまで、様々なファッションを楽しんできたからこそ、このブランドの、しかもオリジナルの奥行きが理解できるはずです。
シャツをシャンブレーのBDに替えるだけでリラックス感が生まれます。
ツイードジャケット
ヘリンボーンのツイードは、見ているだけで暖かい、ほっこりする素材です。秋口ならアウター代わりに、オンシーズならアウターの下に、と大活躍です。
こちらは大阪発のブランド『アルブル』による国産ツイードを使ったじジャケットで、軽さ・暖かさが身上です。
ツイードと言えばハリスツイードが有名ですが、日本メイドならではのクオリティの高さ、コストパフォーマンスには驚きます。ストレッチは効いていませんが、素材が柔らかいのでストレスもありません。
もちろん縫製や構造、本切羽などの小技も効いた仕上がりは秀逸だと思います。インナーはシャツにニットベスト、または白のハイネックニットはいかがでしょうか。
カントリーテイストが強いアイテムですが、敢えてネクタイを結びドレッシーに組み合わせて楽しみましょう。ネクタイはクレスト文様がイイでしょう。
パンツ
グレイパンツ
ウールのグレイパンツは男のワードローブになければならない必須アイテムです。季節に拠て素材や色を調整して、数本持っていたいところです。
秋冬向けなので、チャコールグレイと呼べるほどの濃いグレイがイイでしょう。シルエットはごくスタンダードなノープリーツタイプ、腰回りに適度な余裕のあるものを選べば最も使いやすいはずです。
こちらは先の『アルブル』が展開するパンツラインの『D.C.White』からのセレクションですが、美しいパンツシルエットの参考になればイイと思います。
パンツ丈は軽くクッションする程度かノークッションで仕上げましょう。合わせる靴を想定して調整します。
秋冬向けの靴はボリュームがあるので、気持ち短めに設定することでバランスが保てまます。ダブルに作るものあり。
チノパン
カジュアルパンツと言えば外せないのがチノパンです。そしてチノパンと言えばベージュという印象が強いのですが、これまで取り上げたアイテムとの相性、彩り、40代という年齢、立場を考慮するとカーキになります。
カーキと言っても軍パンのようなハードなイメージではなく、素材もドレス感のあるものを選びましょう。
こちらはマッキントッシュフィロソフィーのストレッチが効いたチノクロスパンツ。シルエットは再評価されている2タック仕様です。
しかしインタックになので野暮ったいこともなく、キレイなテイパードを描いています。ストレッチ+2タックでストレスはありません。
オフィスで履くことになるのでプレスはしっかり。40代なりの緊張感は大切です。
靴
ウイングチップ
カジュアルながら、キチンと感を備えたデザインならウイングチップだ相応しいと思います。しかもイギリス志向が噂されていることもあり、本格的なウイングチップ、ブランドに左右されるのではなくクオリティを優先させるという観点から『リーガルオリジナル』が目に止まりました。
ブローグギングといい、外羽根式の構造と言い厳しい季節の秋冬を乗り越える相棒としては頼もしい限りです。しかも土踏まず付近を絞ったプロポーションはエロい感じもあってよろしい。アーガイルソックスの甘さで中和しましょう。
チャッカブーツ
チャッカブーツはブラウンスエードが本来の姿なのだそうで、ならば秋冬のアイテムとして最も適したものでしょう。
これまで紹介してきたアイテムを並べてみても、この手のチャッカブーツと相性は容易に想像できると思います。特にアウターが必要な季節であれば、そのバランスは完璧です。
こちらはジャランスリワヤのコレクションから。コストパフォーマンスの高さは折り紙付です。
スエードは取扱いが面倒だと誤解されている方も多いようです。汚れが付いたら、固く絞った布でこすり落とせば大丈夫です。シミにならないよう早めの対応が必要です。
しかも洗うことも出来ます。(あくまで自己責任で)キレイになります。
素材を大切にしたい。
若い世代であれば、そして服装を問わない職種であればジャージジャケットやリブパンツ、デニムもアリなのだろうと思いました。
しかし40代、責任に見合うスタイルが必要だと思い、そうした提案は避けました。気にしたのは素材です。
ストレッチが効いたモノやルーズなシルエットは気楽なのですが、それだけでは相応しくないと思いました。
少しラフにしたいならインナーで調節するかパンツを替えてみる。ドレス感を増量したいときも同じです。