成都は四川省の省都で、その歴史は長く三国時代にはすでに蜀の首都として栄えていました。現在もその歴史を伝える史跡が多く残り、人気の観光スポットとなっています。
今回は、そんな四川省の成都から人気の観光名所や穴場スポットをご紹介します。
四川・成都 人気観光スポット1.九寨溝
四川・成都のおすすめ観光スポット、最初にご紹介するのは「九寨溝」です。
「九寨溝」は、中国最後の秘境ともいわれ、鬱蒼と茂る原生林の中に大小100以上の美しい湖や沼が50㎞にもわたって連なっています。
1992年には、ユネスコの世界自然遺産に登録されて、現在では世界中から年間に数百万人もの人が訪れる人気の観光スポットです。
「九寨溝」は、岷山山脈の渓谷の谷間にチベット族が暮らす9つの村(寨)が点在することからつけられたと言われ、チベット族の間では、女神が天界から落とした鏡が108つに砕け散って湖になったという伝説が残されています。
「九寨溝」にある湖の湖水は、石灰を大量に含んでいて微生物が生息できないため、透き通るような透明度を保っています。
太陽の光の反射によってエメラルドグリーン、青、水色、コバルトブルーなど、さまざまに色が変化して見え神秘的な雰囲気が漂っています。
四川・成都 人気観光スポット2.峨眉山
四川・成都の人気観光スポット、次にご紹介するのは「峨眉山」です。
「峨眉山」は、成都から西南約160kmに位置する中国三大霊山や中国四大仏教名山の1つに数えられる山です。1996年にはユネスコの世界遺産に登録されています。
「峨眉山」は、普賢菩薩で有名な仏教の霊山で、中腹にある「万年寺」には普賢菩薩が祀られていて、山中には「報国寺」など26の仏教建築があります。
「峨眉山」の主峰である万仏崖は標高3,099mで、「四面十方普賢金像」が立つ山頂のスポット「金頂」から見る日の出、雲海は絶景です。
また「峨眉山」には、3,000種を超える植物と約2300種もの野生動物が生息しています。中でも観光客に餌をねだる猿が有名ですが、非常に凶暴なので注意が必要です。
四川・成都 人気観光スポット3.都江堰
「都江堰」は、成都の西北60kmの都江堰市の西にある今から2270年以上も昔に「岷江」に造られた水利灌漑施設で、「世界水利文化の開祖」と呼ばれ、2000年にはユネスコの世界文化遺産に登録されています。
長江の支流である「岷江」は、昔たびたび氾濫を起こしており、紀元前256年に、当時の蜀の太守であった李氷と息子が群衆を率いて「都江堰」を造りました。
これにより、広大な成都平原は豊かな土地となり、四川省の経済の発展に大きく貢献したと言われています。
「都江堰」は2200年たった今でも四川盆地を潤す巨大な水利施設として利用されていて、観光客だけでなく、その灌漑技術のレベルの高さを学ぶために世界中から専門家も視察に訪れています。
四川・成都 人気観光スポット4.成都パンダ繁育研究基地
四川省成都市にある「成都パンダ繁育研究基地」は、ジャイアントパンダやその他の希少動物の研究や繁殖を行う非営利の施設で、1987年3月に設立されました。
当初、保護されたが自然に帰すことが困難だった6頭のパンダから始まりましたが、人工繁殖により42頭まで繁殖に成功しています。
園内は、パンダが暮らしている四川省山奥の環境に似せて整備されていて、遊んだり昼寝したりとパンダが自然のままに暮しています。
また、「月亮産房」や「太陽産房」というエリアでは、赤ちゃんパンダや親子パンダの可愛らしい姿も見ることができます。
敷地内には、「大熊猫博物館(パンダミュージアム)」や「熊猫科学探秘館(パンダ科学ディスカバリーセンター)」などもあり、いろいろなパンダの生態や秘密を知ることもできます。
四川・成都 人気観光スポット5.黄龍
「黄龍」は、四川省の人気観光スポットである「九寨溝」から、山を隔てた3,500m以上の高地にある総面積約700㎢の美しい景勝地で、1992年に「九寨溝」と共にユネスコの世界自然遺産に登録されています。
「黄龍」は、3~4億年前も太古には海底でサンゴの堆積により形成された石灰岩が水で浸食されることにより現れた世界有数のカルスト地形で、その黄色がかった石灰華の層が、頂上に登る黄色い龍に見えることから「黄龍」の名が付いたと言われています。
周辺には、絶滅危惧種のジャイアントパンダやキンシコウが生息していることから2000年にはユネスコの生物圏保護区にも指定されています。
「黄龍」の1番の見どころは標高3900mの頂上に位置する「五彩池」で、面積は21000㎡、693個の彩池が見られます。
四川・成都 人気観光スポット 6.楽山大仏
「楽山大仏」は、「峨眉山」から約40kmに位置する世界最大の磨崖仏です。90年の歳月を掛けて完成したと言われ、高さ71m、頭の高さ14.7m、肩幅24mの大きさがあります。
1996年に「峨眉山」と共にユネスコの世界複合遺産に登録されました。
大仏が築かれた凌雲山は、長江の支流である岷江、青衣江、大渡という三つの大きな川の合流点に位置する山で、洪水が頻発で苦しむ民衆を救おうと、唐の玄宗皇帝が713年に、川の氾濫や水難事故を防ぐための大仏を造るよう凌雲寺の僧侶に命じたのが楽山大仏です。
「楽山大仏」は、対岸から出ている遊覧船でも見学が可能で、遊覧船からは大仏全体をカメラに収めることができます。また、夜間はライトアップされ昼間と違った神秘的な姿を見ることができます。