京都の世界文化遺産は「古都京都の文化財」として17か所の寺院・神社・城で構成されています。ここではその中から「一度は訪ねたい世界文化遺産」として、観光の観点から電車で移動できる2つのコースを設定しました。
一つは「宇治~東西線コース」。ここでは世界文化遺産を4か所、もうひとつの「嵐電コース」も4か所、平等院をはじめ合計8か所の世界文化遺産を訪ねるプランをご紹介します。京都世界文化遺産巡りの参考にしてください。
京都世界文化遺産1.平等院
京都世界文化遺産巡りは、最も南の宇治市にある「平等院」からスタートします。平等院は平安時代の藤原氏ゆかりの寺院で、永承7年(1052年)藤原道長の別業(古代貴族の別荘)を子の頼道が仏寺に改め、開創したものです。
平安時代後期の建造物や仏像、庭園、絵画などを今に伝え、世界文化遺産に登録されました。平等院のなかでもとくに有名な建造物が「鳳凰堂」です。
平等院鳳凰堂は天喜元年(1053年)、藤原頼道によって建立された阿弥陀堂です。池の中島に建てられており、その正面から見た姿が翼を広げた鳥のように見えることと、屋根の上の一対の鳳凰に因んでその名で呼ばれています。
平等院鳳凰堂の本堂には1000年も前に作られた「阿弥陀如来坐像」が端座しています。平等院最大の見どころといえるでしょう。
京都駅から平等院へのアクセスにはJR奈良線(みやこ路快速)の利用がおすすめ。京都駅から宇治駅まで17分、宇治駅から平等院までは徒歩で約10分です。
■詳細情報
京都府宇治市宇治蓮華116
京都世界文化遺産2.宇治上神社
平等院と同じ宇治市にはもうひとつの文化遺産、「宇治上神社」があります。平等院からは宇治川を挟んで東側、徒歩でも10分ほどです。宇治上神社の宇治川寄りにある「宇治神社」とは対をなすとされます。
宇治上神社は祭神として菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、応神天皇、仁徳天皇を祀っています。創建年代は不明ですが、平等院を鎮護する神社であったとされ、本殿は平安後期のもので現存最古の神社建築です。
宇治上神社は本殿と拝殿という小規模な神社ですが、朝日山の山裾に厳かな佇まいを見せています。
国宝である本殿、拝殿に加えて、重要文化財の「本殿扉絵」や拝殿前の「清め塩」、境内の湧水で宇治七名水とされる「桐原水」、境外の「巨石」などが見どころです。
宇治上神社では、日本最古の神社建築を鑑賞しましょう。
■詳細情報
京都世界文化遺産3.醍醐寺
宇治市の世界文化遺産巡りの後は、同じく京都の東南地域にある伏見区の「醍醐寺」に移動しましょう。
平等院最寄りのJR宇治駅からJR奈良線で六地蔵駅へ、そして市営地下鉄に乗り換えて醍醐駅へ向かいます。醍醐駅を下車して10分くらい歩けば、醍醐寺に到着です。
醍醐寺は定観16年(874年)の創建、空海の孫弟子である聖宝理源大使が醍醐水の霊泉を得て、小堂宇を建立したのがその始まりです。
醍醐山上一帯の「上醍醐」と、山麓の「下醍醐」、庭園の「三宝院」とを合わせた広大な境内を誇り、上醍醐までは醍醐山を登るので、1時間以上かかります。
「五重塔」(国宝)は醍醐天皇のご冥福を祈るために天暦5年(951年)に建立された、京都では最も古い木造建築物です。
醍醐寺には数えきれないほどの見どころがありますが、五重塔や西大門(仁王像)、金堂や塔頭である三宝院など主なものは下醍醐にあるので、時間がないときは下醍醐を中心に拝観するのがよいでしょう。
なお、京都駅から醍醐寺へ直接行きたい時は、京都駅八条口から京阪バス「山急」が出ています。所要時間は約30分です。
■詳細情報
京都府京都市伏見区醍醐東大路町22
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京都世界文化遺産4.二条城
醍醐寺の後は、地下鉄を利用して移動できる「二条城」がおすすめです。醍醐駅から地下鉄東西線で「二条城前」駅まで23分で移動できます。
「二条城」は、京都の世界文化遺産がほとんど神社仏閣なのに対して、唯一の城となります。現存の二条城は慶長8年(1603年)に徳川家康の宿泊所として造営され、慶應3年(1867年)の大政奉還まで、江戸幕府の栄枯盛衰を象徴した場所でした。
城内には、江戸時代の「二の丸庭園」、明治時代の「本丸庭園」、昭和時代の「清流園」と3つの庭園があり、それぞれの造成された時代の趣を表現しています。
その他、二の丸御殿内の狩野派による障壁画(レプリカ)や有名な「鴬張り」の廊下など、見どころもたくさんあります。
■詳細情報
京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541