学生や趣味のサークルで、お揃いのジャンパーを作った経験があれば、スタジャンという響きに懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか。
スタジャン、つまりはスタジアムジャンパーのコトですが、実は和製英語で本来はaward jacket=アワードジャケットと呼びます。
award つまり何かを記念してお揃いで作り、その証として記念する頭文字(レター)などのワッペンや刺しゅうを施しました。
襟の形はスタンドタイプが一般的ですが、折り返したものなども見かけます。身頃部分の材質はメルトン、袖部分はレザーになっていて色使いは2トーン仕様になっています。一般的には袖部分は明るい色(白やベージュ)が多いように感じます。
胸や背中、袖部分にレターやお気に入りのワッペンで飾り、お揃いでありながら他との違いを競った、という思い出をお持ちの方もいるのでは?
基本を踏まえた、大人仕様のスタジャンを取り上げてみました。学生気分を引きずるのは少々考えものですが、若々しい気分や感覚は忘れたくないものです。少年の心を忘れない大人って、好感度高いそうです。
メンズ定番スタジャンブランド1.Vanson
古き良きアメカジを感じさせてくれるバンソン(Vanson)は、1974年にアメリカ・マサチューセッツ州ボストンで誕生しました。
注目されるきっかけは、モーターサイクルの際に着用するレザージャケット市場に参入した事でした。アメリカだけでなくヨーロッパやアジア特に日本からの需要も急速に高まり、アメリカを代表するレザーブランドへと成長していったのです。
日本での地位を確立したのは、1980年代後半のアメカジブームです。当時のアメリカンウェア(特にレザー)は華奢な日本人には着こなすのが難しいものが多かったのですが、バンソンのジャケットはタイトな身幅と細目の腕が日本人の体形にもマッチし、支持を集めることになりました。
バンソンから超クールなスタジャンを紹介します。仕様はそのものなのですが、身頃部分にもレザーを使い、レターも無しという徹底ぶりはいっそ清々しささえ覚えます。まさしく大人向けのアワードジャケットです。
画像のように、ブラックデニムを持ってくるとワントーンコーデが楽しめます。靴もスニーからブーツまで汎用性の広さを感じます。
レターやワッペンはつけず、経年による汚れや擦り傷を楽しみましょう。
メンズ定番スタジャンブランド2.WACHO MARIA
ワコマリアは元Jリーガー森敦彦氏が率いるメンズファッションブランドです。森氏自身が「自分が女なら、きっとこんな男に惚れる。」と感じ、それを具現化させたアイテムを発表しています。
ブランドがキーワードとして掲げるのは「女と音楽、酒にハット」。ミリタリーやワークのクラシカルなデザインを基本に、森氏が感じる最先端のエッセンスを掛け合わせたデザインは、刺激に溢れ、オリジナリティが高く、国内外からも注目を浴びています。
ワコマリアのスタジャンは、メルトンだけで構成され素材の切り返しはなし。ベロアのような質感が独特のエロさを醸しています。そして背中にしょったマリア像がタトゥーのような存在感を放っています。
明るいキャンパスというイメージではなく、ダウンタウンの酒場に集まる仲間のために作られた”ワル”いニオイが魅力です。しかし襟元のリブにあしらった星模様に可愛らしさが残り、ほっと一息。
コーディネートは、ダメージの効いたデニムでニオイを合わせるのが一番ですが、太めのチノパンでも◎。ウォレットチェーンなどジャラジャラ系のアクセも忘れずに。